有頂天[うちょうてん]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
有頂天[うちょうてん]…迷いの世界のてっぺん
得意の絶頂になっていることを「有頂天になっている」といいます。
喜びに夢中になって、他をかえりみない状態のことをいうのでしょう。
仏教では、迷いの世界を六つに分けて六道(ろくどう)【※】と呼び、その一番高いところが「天」の世界です。
この天の世界もいくつかの段階に分かれていて、それぞれに名前がついています。
三界二十八天というのだそうです。
その天の世界の中で、頂上に位置する天を、悲想非非想処天(ひそうひひそうじょてん)といい、あらゆる存在者にとって最高の境地なのです。だから、この天は、存在者、つまり有の頂上にある天という意味で、有頂天と呼ばれています。
「有頂天に上(のぼ)りつめる」という意味から「有頂天になる」となったそうですが、有の最高の天とはいっても、まだ悟りの世界ではないので、あまり得意になっているとすべり落ちてしまいますぞ。
【※六道(ろくどう)】
衆生が自分の行為の結果によって、趣き往く六種の迷いの境界をいう。
地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天の世界のこと。
「六道輪廻」とは、この六道の間を生まれかわり死にかわりして迷いの生を生き続けること。仏教はこの迷いの世界からいかにして脱するかを説く。
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掲載日: 2013.04.30