自己中心的な交友から離れる【釈尊のことば】
自己中心的な交友から離れる【釈尊のことば】
(本願寺新報 2015年(平成27年)12月20日(日)号より)
愛(いと)おしい人たちともいずれは別れなくてはならない「愛別離苦(あいべつりく)」、社会的に生きていく場合に嫌でも一 緒に会わざるをえない「怨憎会苦(おんぞうえく)」と、釈尊は人間関係とは、とかく人生の苦しみをもたらすものと語られました。ここでは表現は異なりますが、やはり人 間関係の難しさを語られることに、驚かされます。
この偈(げ)に出てくる「利益」を少し広い意味にとって考えてみましょう。人は肉親をも含めて自分以外の他人に接するとき、相手に対してなにか期待をもってしまうのではないでしょうか?
この人はこういう人に違いない、という勝手な思い込み。そして実際にその人が期待通りでないと、がっかりしたりします。ひどい場合には、自分の打算で友人関係を保つことさえあるのではないでしょうか?
このような現実を直視し、釈尊は親子の関係を含め、すべての世俗的な人間関係は苦しみをもたらすものとしてその一切を捨て、6年間の厳しい修行を重ね、目指していた解脱(げだつ)、つまり一切の苦しみからの解放を体現し、涅槃(ねはん)という煩悩の炎が吹き消された境地に達したのです。そして、弟子たちにも、この偈のように「ただ独り歩みなさい」と説かれたのです。
確かに、私たちが自分の利益本位に、自分中心に ものごとを考え執着する限り、人間関係は苦をもたらすものでしょう。人間同士だけでなく、民族や国 家同士も、自分の利益ばかりを考えずに、時には相手の立場に立って、考えてみたらどうでしょう?
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