【9月1日は防災の日】「地震」って何だ?地震大国の日本で暮らすということ

 

過去に学ぼう

 
ーー確かに、日頃からの備えが大切ですね。しかし、震度6や7ですと、あまりにも強烈すぎていまひとつ実感が湧きません。
 
黒田:そうですよね。そもそも、生まれてこの方、大きな揺れを体験したこともなく、地震の恐怖や被害をイメージすらできないという人がほとんどでしょう。
東日本大震災から10 年、熊本地震から5年が経つ今年ですが、被災地から離れた場所に居ると、あのときに感じた不安や、報道映像を通じて伝わってきた被害のイメージも少しずつ薄れていきますよね。せっかくなので【図4】を見ながら、2011 年以前の過去の地震について振り返ってみましょう。
 
中央防災会議「災害教訓の継承に関する専門調査会」では、日本が過去に経験したさまざまな自然災害について、災害の状況や社会的な影響、行政や住⺠の対応、復旧から復興への過程などを報告書にまとめています。*5 1995 年の阪神・淡路大震災を機に「あの災害をもう二度と繰り返したくない、そのためには過去を振り返って、過去の災害から学ぶことが大切だ」という思いから調査プロジェクトがスタートしたそうです。この資料では、江戸幕府の開府直前まで振り返ることができます。
 

【図4】 日本の主な地震災害一覧(近世以降) *6

 

「天災は忘れた頃にやってくる」

 
ーー地震は過去に何度も起こっているのですね。ところで、「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉がありますが、この言葉もこうした過去から編み出された言葉なのでしょうか?
 
黒田:「天災は忘れた頃にやってくる」……この言葉は誰もが一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか?
諸説ありますが、これは物理学者の寺田寅彦(てらだ・とらひこ)先生が『津浪と人間』という随筆の中で書いた文章がもとになったものだと言われています。実際には、「『自然』は過去の習慣に忠実である。地震や津浪は新思想の流行などに委細かまわず、頑固に保守的に執念深くやって来るのである」と書かれています。
 
ーー地震は私たちの事情を全く考慮してくれない、ということですね。
 
黒田:次回以降にあらためて地震発生のメカニズムについても触れますが、地震とは、ざっくりと言うと、地球の表皮(プレート)が動くときに生じる衝突やずれ等の破壊現象です。これは地球の誕生からおよそ46 億年、ずっと絶えないこの星の営みであり、たかだかうん十万年前からその表面に生きてきた人類の暮らしや文化には遠慮もなにもしてくれない、ということですね。
寺田先生がおっしゃることがよく理解できれば、やはり過去の習慣を知ることはとても大切なことに思えてきますね。【図4】に書かれていない地震も引っ張り出して江戸時代(4代将軍 徳川家綱〜5 代将軍 徳川綱吉の治世、約 30 年間)を振り返ってみると、とんでもない状況であったことが見て取れます。
 
ーー確かに、地震は定期的に発生していますね。【図5】のように、連続して地震や火山噴火が発生すると……想像するだけでも恐ろしいです。
 
黒田:そうですね。東日本大震災の震源域の南(房総沖)で大きな地震が起こった26年後に関東大震災、その4年後に南海トラフ巨大地震が起こり、その発生から2か月以内に富士山が噴火。もし私たちや子孫の未来にこのシナリオを当てはめて考えるととても恐ろしく感じられて仕方ありません。当然、同じ規模、同じ順序で起こるわけではないのですが、繰り返し地震は起こります。江戸時代より前の歴史を振り返ってもずっと繰り返している事実。これは誰にも止めようがないですし、これだけ科学が発展した現在でもいつどこで起こるかという予知は難しいとされているのです。
 

【図5】江戸時代の地震・火山災害 *7

 

9月1日は何の日?

   

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掲載日: 2021.09.01