「地震」って何だ?地震大国の日本で暮らすということ 【阪神・淡路大震災編】
地球は絶えず動いている
【図3】地球の内部の様子
地球の中心には温度6,000℃とも言われる核があり、その周りのマントルは核に温められて対流しながら溶け、マグマとして海底山脈から湧き出ます。マグマは上昇して海水で冷却されて岩状に固まりプレート(=地殻)になります。
プレートの厚さはまちまちですが、分かりやすく約40kmだと仮定すると、地球の半径(約6,400km)に対して0.6%でしかないのです。これは例えるならば、やや大きめのマグカップにアツアツの牛乳を入れたとき、表面に張る膜のような薄さであり、私たちはこの薄い膜の上に暮らしているんです。
――そんな薄さの上で!?地球にとって、いかに人間が小さな存在かが分かるような気がします。
【図4】プレートが動く様子(イラスト (c)文平銀座+NPO法人プラス・アーツ)
黒田:そして、地球を平たく伸ばして見てみると、パズルのように十数枚のプレートが組み合わさってできています。今度はそのプレートの交わる部分の断面を見てみましょう。
【図4】は、なんだか見覚えのある図ではないでしょうか。左の陸側のプレートに、右の海側のプレートが沈み込んでいて、矢印の方向に動いていることを表しています。先ほど説明したようにプレートの下(内部)にあるマントルは常に温められ対流しており、その流れにプレートがのっかって動いてしまうのです。
プレートが交わる海の溝は「海溝」と呼ばれ、海のプレートの沈み込みが大きくなると、陸のプレートにひずみがたまり、このひずみを解消するために陸のプレートが跳ね上がる(ずれ動いたり、壊れたりする)と考えられており、これが地震となります。
ちなみにプレートがどのくらいのスピードで動くか気になりませんか?
――そもそも、動いていること自体がにわかに信じがたいですが……、年間0.5mmぐらいでしょうか?
黒田:実はもう少し大きいんです。太平洋プレートは年間約8cm、フィリピン海プレートは年間約2〜4cmのスピードだと言われています。年間8cmと聞くと、大したことはないように感じるんですが、これが10年経つと80cm、50年で4m、100年で8m。太平洋プレートと北アメリカプレートの境界(日本海溝、たとえば宮城県沖など)では50〜100年で大地震(マグニチュード7以上)のエネルギーとなるだけのひずみを蓄積しては解消してを繰り返し、周期的に地震が起きているのです。
【図5】日本を囲む4つのプレートの位置関係(イラスト (c)文平銀座+NPO法人プラス・アーツ)
さて、ここまで地球内部の話から地震発生のメカニズムについて触れましたが、理解できましたか?
――理解できました。ありがとうございます。