子どもから外国人まで過ごせる高齢者施設のお話|はっぴーの家ろっけん、首藤義敬さんインタビュー<前編>
どれも諦めない選択肢は無いのか?プロジェクトは首藤さんの「わがまま」から始まった
首藤 義敬さん(写真はすべて「はっぴーの家ろっけん」提供)
ーー「はっぴーの家ろっけん」はどういったきっかけで立ち上げられたのでしょうか?
首藤 義敬さん(以下:首藤):きっかけとしては、自分の家族のためでした。
ーー家族のため、というのは……?
首藤:これは僕の話になりますが、僕は子どもの頃、いわゆる「多動」って言われる少年だったんですね。学校の授業中でもいつも動き回っていて、先生にも迷惑をかけまくっていました。中学2年生くらいからは不登校になって、生きづらい学生時代を過ごしていたんです。
大人になって結婚して、娘が生まれたんですが、まさに僕と似て……、小学校へ入学する時にすごく悩んだんですよね。「これ、僕と同じパターンで学校に行かなくなるんじゃないか」って。
同時期に、僕のおじいちゃんとおばあちゃんの介護が始まりました。二人とも認知症です。自分の祖父母の介護と、子育てを同時に考えなくてはいけない、世間で言うダブルケアの状態ですよね。
こうした状態では、何かを諦めるのが一般的です。子育てを諦めるのか、介護を諦めるのか、仕事を諦めるのか……。そこで、全部諦めない選択肢はないのか、どこかに前例がないか、と探したのですが、どこにもなくて……、じゃあ作ろうとなったわけですね。言ってしまえば、この「はっぴーの家ろっけん」は自分のわがままをそのままプロジェクトにしたようなものなんです。
とにかく聞いて回ったヒアリング調査