みんなで考え、みんなで語り合い、みんなで囲む、仏教座談庵「いろり」│藤井大樹さん、藤田圭子さんインタビュー<後編>

 

「お坊さん」と「悩み」に向き合うことで生まれるもの

 

(画像:仏教座談庵「いろり」ホームページより)

 
――いろりという場に仏教が関わることの意味は何だと思われますか?
 
藤田:社会の一般的なものの見方とは違う考え方ができるところでしょうか。私たちの出す答えは、実は自分に都合が良いものであったり、時と場合によって一貫しなかったりと、ブレブレです。そのことを、仏教を通して学んでいる僧侶だからこそ、世間のものさしを介さず話を聞ける部分があるのではないでしょうか。
 
藤井:例えば、「発達障がいの子どもがいて周りの人を困らせる」という問題があったとします。私たちが困らないためにはどうすれば良いか考えることもできますが、まずその子自身が何かに困っているのかもしれないという視点があれば、その子の困り事が何かを考える会になりますよね。
仏教に限らず、宗教は自分の持つ価値観を変えてくれるものです。話し合いの中で自分の価値観を客観視して、新しい価値観を受け入れられたら、それが意味と言えるかもしれませんね。私自身もですが、参加者がお話ししながらブラッシュアップされていく様子は見ていて楽しいですよ。
 
――今後のご展望をお聞かせください。
 
藤田:HIROMARU PROJECTは、人とのつながりの中で活動していきたいという思いで活動しています。今はオリジナルカルタ作り企画が動き始めています。こういった活動を通してできたネットワークを活用しながら、ものづくりや企画などさまざまな「あったらいいな」を実現していけたらいいなと考えています。
 
藤井:HIROMARU PROJECTとしてインターネット上でのご縁づくりも継続していきたいと同時に、私は教雲寺の住職でもあるので門信徒の方々と対面でのご縁もより大切にしていきたいですね。また、音響や配信のお手伝いなどでのご縁もあります。
仏教を生きる自分がいろんな方々と関わっていくことがやがて仏教に通じればいいなと思いながら活動を続けていきたいです。
 
――藤井さん、藤田さん、ありがとうございました。
 
 

さいごに

 
取材の中で何度も出てきた「人とのつながり」というキーワード。もちろん自分が好きな人とのつながりもあれば、嫌いな人とのつながりもあります。もしかすると、好きな人と付き合い続けたほうが楽しい人生になるかもしれません。しかし、「価値観の転換」や「社会の一般的なものの見方とは違う考え方」をきっかけに、嫌いだった人が自分にとって大切な存在になる可能性があることも、忘れないでいたいものです。
 

プロフィール

 

藤井大樹(ふじい・ひろき)
HIROMARU PROJECT代表/広島県在住/浄土真宗本願寺派僧侶・布教使/音楽療法士/音楽ユニット星と樹/配信のお手伝いなど
 

藤田圭子(ふじた・けいこ)
HIROMARU PROJECT事務局/神奈川県在住/浄土真宗本願寺派僧侶・布教使/ワカゾー(デスカフェ)/ルピシア世界のお茶マイスター/チェアヨガ(骨盤スリムヨガ)インストラクターなど
 
HIROMARU PROJECT
https://hiromaru.fun/
 

   

Author

 

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掲載日: 2022.10.18

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