「語るがごとく歌い、歌うがごとく語る」節談説教の世界とは。|梅山暁さんインタビュー
仏教を伝える方法が多様化した現代。昨今はメディアを用いた伝道など、様々な形がありますよね。そのような中、皆さんは「節談説教」と呼ばれる布教方法をご存知でしょうか?節談説教とは節(抑揚)を用いる、伝統的な布教のスタイルです。
そんな節談説教を現代に引き継ごうと活動されている布教使の方がいらっしゃいます。この度、インタビューをさせていただいたのは浄土真宗本願寺派布教使の梅山暁(うめやま・あきら)さんです。
節談説教とはどういうものなのでしょうか?そして、その魅力はどういったところにあるのでしょうか?インタビューを通して、奥深い世界を味わいます。
梅山さんについて
梅山暁さん(画像提供:梅山さん)
――梅山さん、本日はよろしくお願いします。はじめに、梅山さんの自己紹介をお願いします。
梅山 暁さん(以下:梅山):梅山暁と申します。昭和54(1979年)年1月生まれ、三重県常満寺の衆徒です。
私はお寺の長男として生まれ、大学は仏教とは関係ない分野へ進学しましたが、在学中に中央仏教学院の通信も受講し、1回生のときに得度を受け、そして4回生のときに教師資格を取得しました。
その後、卒業後の進路選択のタイミングでやりたいことが見つからなかったり、人間関係で悩んだりしていたこともあり、仏教を学びたいと思い、本格的に僧侶としての道を歩み始めました。
その後、布教使に任用され、現在は布教使として節談説教の活動を続けています。
――簡単に常満寺さんのご紹介をお願いします。
梅山:私が所属している三重県の龍岳山常満寺は、宝徳元年(1449年)に蓮如上人が立ち寄られた照光寺の下寺として坊舎を建てたのが始まりで、その後寛文8年(1668年)に常満寺として寺号許可をいただき、今に至ります。現在、父が9代目の住職を務めており、私が10代目となる予定です。