心ゆたかに、穏やかな第二の人生を。僧侶が設立したデイサービスセンター|野の風デイサービスセンター 森下広大さんインタビュー<前編>
デイサービスとは?
(画像提供:森下さん)
――そもそも、デイサービスとはどういったものでしょうか?
森下:デイサービス(通所介護)とは、朝に利用者さんのご自宅へお迎えに行き、夕方まで施設で過ごしていただき、ご自宅までお送りするという介護サービスのことです。(半日のデイサービスもあります)
昨今、介護サービスも多様化しており「訪問介護」と呼ばれる、職員が利用者さんのご自宅へ伺う方法や、老人ホームのような利用者さんが施設で暮らすような形態がありますが、デイサービスは主に日中の支援を中心に行っています。
――デイサービスの1日は、どういったものでしょうか?
(画像提供:森下さん)
森下:職員は8時頃に出勤し、その後利用者をお迎えにいきます。9時までには施設に来ていただきます。到着後、最初は体温や血圧などを測定し、そこから希望者にはお一人ずつ入浴していただいています。
その間、入浴を希望されない方は体操やレクリエーション、利用者さんによっては畑作業を行います。お昼ご飯は畑で獲れたものや買い物で調達し、施設スタッフが調理します。
午後は各班に分かれて農作業をしたり、散歩したりして4時ごろまで過ごしていただいています。4時になると順次、それぞれの利用者さんのご自宅へお送りして、サービスは終了です。
よって、サービスの提供時間は9時から16時で、その後スタッフは掃除や明日の準備を行い、それらが終わると1日の業務は終わりです。
――宗教法人とは別にNPOを設立されているとのことですが、そのメリットとデメリットはどういったものでしょうか?
森下:大きなメリットとしては、NPO団体の方が関わる人が幅広いことです。当NPO法人には、理事に神社の神主さんもいらっしゃいますが、お寺の宗教法人ではあり得ないですよね。さまざまな方が法人に携わる分、地域のいろんな情報を得ることができます。
一方、NPOは公共性が重視されるため、特定の宗教行事は行えないという制約があります。よって、施設に仏教色はあまり出せません。宗教法人で運営している場合、施設内でお朝事やお夕事をつとめても問題ありませんので、デイサービスを通して真宗のみ教えをお伝えしようと思うなら宗教法人として運営するほうが良いですね。