未曾有[みぞう]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
未曾有[みぞう]…原義は「ワンダフル!」に近い
「未曾有の事件」といえば
「いまだかつて起こったことがない事件」という意味ですね。
未曾有は、サンスクリット語で「アドゥブタ」といいます。
『仏教語大辞典』によると、
この語はインドの戯曲論や美学書において、
詩における風味・情緒の一つとして「びっくりした」というほどの意味の言葉であったが、
漢文に翻訳した者は通俗の語源解釈に従って、
「未だ曾(かつ)て有らざる」という意味で訳出したのだそうです。
つまり、未曾有は漢訳仏典の造語だったというのです。
『新仏教語散歩』には、
未曾有は「殊勝(ことにすぐれた)」とも訳出されるように、
すばらしいことを形容し、めでたいことを修飾する言葉で、
不吉な、悪しきことには用いないのが、もとの使い方だったといいます。
「未曾有の法」は「未だ曾てなかったほどのすばらしい真理」の意味です。
「未曾有の惨事」「未曾有の悪事」が、起こらないことを願います。
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掲載日: 2013.04.17