未曾有[みぞう]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】


前の記事
2013年4月17日
記事作成:他力本願ネット

次の記事


 

未曾有[みぞう]…原義は「ワンダフル!」に近い

 

「未曾有の事件」といえば

「いまだかつて起こったことがない事件」という意味ですね。

 

未曾有は、サンスクリット語で「アドゥブタ」といいます。

『仏教語大辞典』によると、

この語はインドの戯曲論や美学書において、

詩における風味・情緒の一つとして「びっくりした」というほどの意味の言葉であったが、

漢文に翻訳した者は通俗の語源解釈に従って、

「未だ曾(かつ)て有らざる」という意味で訳出したのだそうです。

 

つまり、未曾有は漢訳仏典の造語だったというのです。

『新仏教語散歩』には、

未曾有は「殊勝(ことにすぐれた)」とも訳出されるように、

すばらしいことを形容し、めでたいことを修飾する言葉で、

不吉な、悪しきことには用いないのが、もとの使い方だったといいます。

 

「未曾有の法」は「未だ曾てなかったほどのすばらしい真理」の意味です。

「未曾有の惨事」「未曾有の悪事」が、起こらないことを願います。

 

「くらしの仏教語豆事典」より転載
(ホームページ用に体裁、ふりがな等を調整しております)
 
     

Author

 

他力本願ネット

人生100年時代の仏教ウェブメディア

「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。

≫もっと詳しく

≫トップページへ

≫公式Facebook

掲載日: 2013.04.17

アーカイブ