機嫌[きげん]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
機嫌[きげん]…そしり嫌われない戒律があった
「ごきげんよう」「機嫌をとる」「機嫌をなおす」「ご機嫌うかがい」とか
「彼女はご機嫌ななめ」などと、機嫌は気分のよしあしをいう日常語として、
一般によく使われています。
機嫌は「譏嫌」と書き、仏教語でした。
譏嫌とは、譏は「そしる」、嫌は「きらう」という意味ですから、
他人をそしりきらうこと、世の人たちが嫌悪することをいいました。
仏教の戒律(かいりつ)の中に、譏嫌戒という戒(いまし)めがあります。
たとえば「酒を飲むな」「五辛(ごしん)を食うな」など、行為それ自体は罪悪ではないが、
世の人たちからそしり嫌われないために制定されたそうです。
人が不愉快に思うことはしない、という戒律でしょう。
「譏嫌を護(と)る」という語句も仏典にあります。
他人のそしり嫌うことをしないという意味で、
現在用いられている「機嫌をとる」と同じだということです。
仏教語が一般に使われ、気分とか心持ちの意味に変化していきました。
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掲載日: 2013.03.20