阿吽[あうん]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
阿吽[あうん]…ものの始まりと終わり
相撲(すもう)の仕切りは「阿吽の呼吸」を合わせます。
吐く息、吸う息を合わせるのです。
社寺の門前のコマイヌさんや、山門の仁王(におう)様は、
一方が口を開いて「ア」、他方は口を閉じて「ウン」と、阿吽の姿をしています。
サンスクリット語では、最初が「ア」と口を開いて出す音声で「阿」と訳され、
最後は「フーン」と口を閉じて出す音声で「吽」と訳されています。
日本のアイウエオで始まる五十音図は、このサンスクリット語の配列にヒントを得て、それに基づいて整理されたものといわれていますから、同じく「ア」で始まり「ン」で終わっているのです。
このように、阿吽は、ものの始まりと終わり、出息入息を示しています。
密教【※】では、阿吽を、根源と帰着、菩提心(ぼだいしん)と涅槃(ねはん)などの象徴としているともいわれているようです。
みなさん、何事にも、阿吽の呼吸が大切ですよ。
【※『密教(みっきょう)』】
秘密教の略。密教以外の仏教を顕教という。顕教は衆生の性質に応じて、言語文字で説き示された教えであるが、密教は仏の本体である大日如来が自らの悟りの内容を不可思議な力によって直接伝え、その境地に達した者以外は知ることのできない秘密真実の教えである。
真言宗の密教を〈東密〉、天台宗の密教を〈大密〉という。
「くらしの仏教語豆事典」より転載
(ホームページ用に体裁、ふりがな等を調整しております)
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掲載日: 2013.06.03