退屈[たいくつ]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
退屈[たいくつ]
修行苦に屈して心が退くこと
退屈といえば、何もすることがなく、ひまをもてあますことを意味する言葉として、日常よく使われています。
あくびの一つも出そうな情景です。
退屈しのぎという言葉もあります。
しかし、退屈は、もともと仏教語で、仏道修行の苦しさや難しさに屈して、仏道を求める心が退き、精進(しょうじん)努力する心を失うことを意味しました。
菩薩(ぼさつ)の修行中にも、退屈に遭遇する場合(三退屈)があります。
1.悟りを求めるのは広大深遠であると聞いて起こす退屈
2.布施(ふせ)の万行はきわめて修し難いと聞いて起こす退屈
3.悟りの妙果は証し難いと聞いて起こす退屈で、
これらを対治(たいじ)するのを三練磨(れんま)といいます。
そこからくたびれて気力がおとろえること、畏縮(いしゅく)すること、困りはてることなどの意味になり、さらに転じて、倦怠の意となり、ひまをもてあますことになりました。
説明がややこしくて、退屈しましたか。
「くらしの仏教語豆事典」より転載
(ホームページ用に体裁、ふりがな等を調整しております)
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掲載日: 2012.12.17