弔いは暗いもの?「はっぴーの家ろっけん」流のお葬式|はっぴーの家ろっけん 首藤義敬さんインタビュー<中編>

そのお葬式は、死生観を考えるイベントから始まった

 

 
ーー「はっぴーの家ろっけん」では、お葬式を執り行うこともあると聞きましたが、それはどういった経緯で始められたのでしょうか?
 
首藤 義敬さん(以下:首藤):いきなりお葬式を計画したわけではなく、当初は「生きる」をテーマに僧侶の方々とディスカッションしたことがきっかけでした。
 
ーー興味深いお話ですね。そこからどうやってお葬式のお話に繋がったのでしょうか?
 
首藤:ディスカッションを続ける中で、「遺影」が暗すぎるという話題になったんです。
そもそも、人の死を弔うという行いは、世界的に見れば必ずしも暗いものとは限りませんよね。でも日本では暗すぎるのではないか。そこに疑問を抱いたのが出発点です。
人生の最期を、明るく見送るのも一つの選択肢なのではないかと思い、まずは遺影の常識を変えるべく「はっぴーのyear!!プロジェクト」っていうのを始めたんですね。これは、遺影の写真を撮影しつつ、どんな弔いをしたいかをみんなで考える場です。
そして、弔い方を考えていくうちに、だんだんと「はっぴーの家ろっけん」でお葬式をしたいというニーズが生まれていったんです。
 
ーー実際に行われたお葬式の事例をお聞かせいただけますか?
 
首藤:では、実際に行われたお葬式の事例を紹介します。あるおじいちゃんは、もう終末期の段階に入っていて、あと1週間生きられるかどうかという状況でした。そして、ご家族の方からご依頼を受け、「はっぴーの家ろっけん」でお看取りやお葬式を行うことになりました。
ちょうどその頃、「はっぴーのyear!!プロジェクト」が進められていた時期だったので、ディスカッションで関わりのあった方とも相談しながら、同時並行でお葬式の下準備を進めました。
 
ーー準備はどのようにして進められたのでしょうか?
 
首藤:お葬式の準備はご家族の方だけではなく、スタッフや地域の方ともコミュニケーションを取りながら進めました。地域の方にはいきなりお葬式の話を持ちかけるのではなく、最初に「はっぴーの家ろっけん」での取り組みやその考え方を共有しました。
そこから遺影や死について考える場に参加していただきながら、少しずつお看取りやお葬式への関心を高めてもらうようにしました。
 

まるでパーティー?暖かな空気に包まれたお葬式

   

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掲載日: 2021.09.24

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