アジアを巡りカンボジアにたどり着いた僧侶の話│安武義修さんインタビュー<前編>
カンボジアでの出会い
写真提供:安武さん
――ひとり旅での印象的な出来事を教えてください。
安武:インドを旅していたとき、たびたび「キミのお父さんはどんな仕事をしているのか?」と尋ねられました。現地の方たちは、自身の父親の職業やどういった人かということを誇らしそうに話すんです。私はそれまで人前で家族を自慢する感覚がなかったので、少し面喰いながら自分の父が僧侶であることを話すと、とても驚かれて、同時に讃えてくれたんですね。そのとき、僧侶という道が実はとても誇らしいことなんじゃないかと感じたんです。
そこから少しずつ考え方が変わっていき、自分の意志で僧侶の道を進もうと決めたんです。
――西林寺はカンボジアにお賽銭を寄付されていると伺いました。
安武:カンボジアは、私が生まれた1976年に始まった内戦で200万人〜300万人が亡くなったといわれており、当時6万5000人おられたカンボジアの僧侶も6万2000人が殺されたそうです。そんなカンボジアに何かしたいと考え、西林寺ではカンボジアの日本語学校への支援として、お寺のお賽銭を寄付する活動をしています。そのお賽銭は、直接現地へ持って行くんですよ。直接寄付すると、お賽銭がどのように使われるかがわかるし、日本のお寺とカンボジアの学校の交流できる文化が生まれるかもしれないと思ったんです。
海外で得られた気づき
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掲載日: 2022.06.06