迷惑[めいわく]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】


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2013年2月1日
記事作成:他力本願ネット

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迷惑[めいわく]…この悲しみをどうすりゃいいの

 

「ご迷惑を、おかけいたします」「迷惑千万だ」から

「近所迷惑」「迷惑駐車」まで、迷惑は、いやな目にあって、

困ることを意味するに日常語としてよく使われています。

 

迷惑は、サンスクリット語「プラーンティ」の意訳で、

心の迷妄、あちらこちらに動くこと、よろめくことなどの意味です。

 

そこから、道理に迷い、

とまどうことで、どうしてよいか分からないで、

途方にくれることをいいました。

この迷惑は、仏典にも出てくる言葉で、

『華厳経(けごんきょう)』【※】や

『法華経(ほけきょう)』【※】にも登場します。

 

親鸞聖人(しんらんしょうにん)【※】は、

仏の慈悲に包まれ、

仏の力に生かされながら、

なおも愛欲の絆(きずな)にしばられ、

名利を求めてさまよう自分に対する深刻な内観から、

 

「悲しきかな、愚禿鸞(ぐとくらん)、

愛欲の広海(こうかい)に沈没(ちんもつ)し、

名利(みょうり)の太山(たいせん)に迷惑して…」

 

と 『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』【※】に記しておられますが、

その「迷惑」が、

まさしく、この意味なのです。

 

【※華厳経(けごんきょう)】

詳しくは『大方広仏華厳経』といい、大乗経典の一つ。

漢訳には八十巻本・六十巻本・四十巻本の三種があり、華厳宗の根本聖典。

釈迦が成道の直後に自ら悟った内容をそのまま示し、その悟りにいたる段階を説き、

精神の深まりを説く経典で、全世界を毘盧舎那仏(びるしゃなぶつ)の 顕現であるとする。

 

【※法華経(ほけきょう)】

『妙法蓮華経』八巻といい大乗経典の一つ。

すべてのものが仏になると説き、ブッダの永遠の生命を直截に説き明かす。

一種の宗教文学作品といわれ、「諸経の王」として広く流布した。

天台宗、日蓮宗の所依の経典。

 

【※親鸞聖人(しんらんしょうにん)】 (1173-1263)

浄土真宗の開祖。比叡山で学んだが満足せず、

六角堂に百日参籠ののち法然聖人の門下に入る。

1207年、念仏停止によって越後の国府に流罪。

のち関東をめぐり他力本願の教えをひろめた。主著は『教行信証』。

 

【※教行信証(きょうぎょうしんしょう)】

詳しくは『顕浄土真実教行証文類(けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい』といい、

親鸞聖人の主著。

1224年成立。教・行・信・証・真仏土(しんぶつど)・化身土(けしんど)の六巻から成り、

浄土真宗の教義体系が示されたもので、浄土真宗の立教開宗の根本聖典。

 

「くらしの仏教語豆事典」より転載
(ホームページ用に体裁、ふりがな等を調整しております)
 
     

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掲載日: 2013.02.01

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