精進[しょうじん]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
精進[しょうじん]…単なる料理のジャンルではない
精進料理といえば、魚や肉類を使わない料理であることは誰でも知っています。
祭りや葬式の後のように、心身を清める精進の期間が終わると、
精進落ちとか精進明けと称して、肉食飲食の宴がもたれるのをよく見かけます。
栄養補給でしょうか。
精進とは、
もともと、仏教の実践徳目である「六波羅蜜(ろっぱらみつ)」【※】の一つで、
精魂こめて励み進むこと、努力精励することをいいます。
このことから、一般に努力することを意味し、手紙などに
「ますますご精進ください」などと書かれたりしています。
この精進に、日本では新しい意味がつけ加わりました。
仏教が伝来する以前から神事で行われていた「潔斎(けっさい)」と結びついて、
「精進潔斎」といわれるようになったのです。
心身を清め、行いをつつしむというものです。
肉や魚を使わない精進料理はこの意味から来たのでした。
【※六波羅蜜(ろっぱらみつ)】
菩薩の修行でその実践行の内容を六種に分けて説いたもの。
布施(ほどこし)、持戒(戒律を守る)、忍辱(耐え忍ぶ)、
精進(努力)、禅定(精神統一)、智恵(真実を見極める)。
なお、中国や日本では「波羅蜜」を「到彼岸」と訳し、
迷いの此岸から悟りの彼岸に渡ることをいう。
Author
他力本願ネット
人生100年時代の仏教ウェブメディア
「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。
掲載日: 2013.04.10