愚痴[ぐち]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
愚痴[ぐち]…特に強力な煩悩のひとつ
言っても甲斐(かい)のないことを、
くどくど言って嘆(なげ)くことを
「愚痴をこぼす」といいます。
そして、よく愚痴をこぼす人を
「あの人は愚痴っぽい人だ」
ともいいます。
愚痴という字をよく見ると、
「愚」も「痴」も、事理に暗いこと、おろかなことをいう意味ですね。
お釈迦さまは「人間が苦悩する原因は、
心のなかに宿る煩悩(ぼんのう)にある」と教えられました。
煩悩は108種あるといわれますが、
その中でも特に強力なものを
「三毒(さんどく)の煩悩」といいます。
1.貪欲(とんよく)=むさぼり欲しがる心。
2.瞋恚(しんに)=いかり腹立つ心。
そして、
3.愚痴です。
愚痴とは、
目さきのものにとらわれて、
真理を解する能力のない
愚かな心を指しているのです。
『ちかいのうた』【※】の中に、
「欲と瞋(いか)りと癡(おろか)さの
わざわい永遠(とわ)に除(のぞ)かなん」
とあるのがそれです。
愚痴もほどほどに…。
【※ちかいのうた】
蓮如上人450回御遠忌の記念事業として、
現代語でおつとめができるように、
1948年に制定された意訳勤行。
「ちかいのうた」は『重誓偈(じゅうせいげ)』の意訳。
その他にも、
『正信偈(しょうしんげ)』の意訳 「しんじんのうた」、
『讃仏偈(さんぶつげ)』の意訳「さんだんのうた」、
『十二礼(じゅうにらい)』の意訳「らいはいのうた」がある。
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掲載日: 2012.12.17