老舗サイトと振り返る仏教ウェブメディア20年史|「彼岸寺」代表 日下賢裕さんインタビュー<前編>
ご縁の集まるプラットフォームに。
――現在の彼岸寺さんはどんなご様子ですか?
日下:2015年に松本から代表を引き継いだ際、松本からの具体的な希望や指示は特になかったので、他のメンバーと相談しながら改めて方針を考えました。その時に、自前ですべての記事を用意するのは現実的ではなくなってきたので、今の寄稿型中心の運営に変更したんです。お寺や仏教に関わる人が、彼岸寺を使って自由にその活動を発信できる。そういうプラットフォームの形を目指しました。なので、彼岸寺への掲載希望をお断りしたことはほとんどありません。
――どういった内容の記事が寄稿されるのでしょうか?
日下:最近ですと、本を出版する際の告知やイベントを実施する際の告知記事を寄稿いただくことが多いですね。仏教伝道協会の講演やシンポジウム等の行事も紹介することもあります。
ただ、単に開催日時や会場だけを記載したような内容では読み応えがないので、寄稿の際には記事だけを読んでも成立するような内容をお願いしています。例えば、書籍を執筆した理由やイベントを開催するきっかけなど、背景事情も併せて書いていただければ興味深く読むことができますよね。
――どういった成果がありましたか?
日下:インターネットの恩恵を受けて、多くの方々に僧侶という存在を知ってもらう状況が生まれたのが一番大きな成果だと感じています。インターネットが浸透する以前にも、特技を活かして精力的に活動されている僧侶の方はおられたと思いますが、一般に広く知られる、ということは少なかったのではないのでしょうか。
また、SNSの発達によって僧侶同士のつながりが生まれ、そこから新しいイベントやプロジェクトが始まる際に、情報発信という面でそのお手伝いをできたのも、大きな成果ではないかと考えています。
――ありがとうございました。
インタビューは後編に続きます。
後編では、引き続き彼岸寺代表の日下さんに、仏教ウェブメディアの現在とこれからについてお伺いしました。
これからの仏教ウェブメディアに求められるものとは?|彼岸寺 日下さんインタビュー<後編>