商社マンから僧侶へ大転身!その「生き方」に迫る|木村共宏さんインタビュー①

これまで、「僧職図鑑」では浄土真宗本願寺派で活躍するユニークな僧侶を、インタビューを通して紹介してまいりました。彼らの経歴は実に様々。医療や音楽、ITといった幅広い領域でご活躍されています。

これまで、「僧職図鑑」では浄土真宗本願寺派で活躍するユニークな僧侶を、インタビューを通して紹介してまいりました。彼らの経歴は実に様々。医療や音楽、ITといった幅広い領域でご活躍されています。
 
今回インタビューを受けていただいたのは、木村共宏(きむら ともひろ)さん。大手総合商社の三井物産に18年勤められたのち、得度を受け僧侶となられました。現在はそのご経験を活かし、浄土真宗本願寺派の企画諮問会議委員や「未来の住職塾NEXT」の講師としてもご活躍されています。
世界を相手に日用品から航空機まで、ありとあらゆる財やサービスを取り扱う総合商社。その仕事を通じて培った考え方は、僧侶のあり方にどう影響しているのでしょうか?
 
今シリーズは全3回にわたってお届けします。初回は、木村さんの経歴と僧侶になられたきっかけについてお尋ねしました。

 

ドイツへの留学、そして大手総合商社へ

 
ーー商社マンから僧侶というのは、非常にユニークなご経歴ですね。商社に入られるまではどのように過ごされていたのでしょうか?
 
木村共宏さん(以下、木村):父はサラリーマンで転勤族だったので、僕自身は神奈川県で生まれた後、幼稚園時代を函館で、小学校からは岡山で過ごしました。大学まではあまり疑問も持たず進学し、後の選択肢も多いだろうということで東大の理科I類に入学しました。
 
大学では自由気ままな生活を送ってましたが、2、3年もすると「卒業」の文字がちらついてきます。大学までは学校教育というレールの上を走ればよかったのですが、卒業後の選択肢はさまざまです。1本のレールの上をただ走ってきた自分は、その先どのレールに向かうかを考える必要に迫られました。
そこで、卒業後の人生をしっかり考えたいなと思い、大学を休学してドイツにいきました。1年間のモラトリアムを得て、ドイツ語を学びながら今後の人生についてじっくり考えることができました。
 
東大の理系学部では、およそ学生の7割以上は大学院に進むのですが、色々と考えた結果、社会に出て経験を積む方を選び、帰国して三井物産に入社しました。
 

ドイツ留学時代の一枚(1996年、ハイデルベルクにて撮影) ※写真はすべて木村さん提供

 
ーー帰国後、三井物産に入られてからはどのようなご経験をされましたか?
 
木村:入社した当時はITビジネスの担当をしていました。当時はITバブルに入った頃で、目まぐるしく世界が変化しており、もちろん仕事は大変でしたが楽しかったですね。同期の仲間にも恵まれて、仕事もプライベートも充実していました。数年があっという間に経ちましたね。
 

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掲載日: 2020.10.16

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