「語るがごとく歌い、歌うがごとく語る」節談説教の世界とは。|梅山暁さんインタビュー
お聴聞者を置いてきぼりにしないように。
歌にも挑戦し、ライブに出演することも(画像提供:梅山さん)
――節談の面白さはどういったところにありますか?
梅山:やっぱり、特徴的な節ですよね。僕は歌うことが好きなので、フレーズに節を掛ける時は、先生の真似事ながらも楽しんでいます。まだまだ抑揚が足りないという講評をいただきますが、僕なりに変化がつくようになったと自負しています。また、構成や内容の作成は大変ですが、その分だけ学びや気付きが大きい部分でもあります。
――節談説教の中で盛り上がる場面や好きな場面はどういったところでしょうか?
梅山:一番盛り上がるのは因縁と最後の節のところです。節談説教はあらゆる芸能の源流ともいわれており、落語や浪曲のルーツだと言われています。因縁の部分でいかに抑揚を使ってわかりやすく表現できるかが節談説教の見せ所でもあり、楽しんでいただける部分でもありますね。
――一方で、節談説教の難しいと感じる部分を教えて下さい
梅山:やはり、構成が難しいですね。構成をしっかり組んでおかないと、グダグダになってしまいます。今は先生のお説教を参考にしながら、少しずつ学び考えている段階です。
一方、台本通りで進めて良いわけでもなく、例えばお聴聞されている方が少し難しそうな表情をしていたら、簡単な小話を挟み込むといった工夫をしています。
いくつかの変化のパターンを持っていて、場の状況に応じてそれらを使い分けていますが、もっとバリエーションを増やして、お説教ごとに節を選んだり、ときにはその場の反応を見て即興でアレンジしたりできれば理想的ですね。しかし、そこまで至るのはまだまだ遠い道のりです。
――節談説教で大切にされていることを教えて下さい
梅山:やはり、ご法義を伝えることがなによりも大切です。つい、先生の節にあこがれを抱き、気持ちが流されそうになりますが、あくまでも仏法を伝えるための技法として節談説教をやっているという自覚を大切にしたいものです。
これまでお聴聞してこなかった人でも、これやったら聞けるなと受け入れていただけるようなお説教をするのが目標ですね。また聴きたくなる、またお寺へ行きたくなるようなお説教を心がけています。