縁起[えんぎ]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
縁起[えんぎ]…球根だけでは花は咲かない
チューリップの花は、その球根から咲きます。
球根が原因[因]で花は結果[果]です。
しかし、球根だけでは花は咲かず、温度・土質・水分・肥料・日光・人間の細心の手入れなど、
さまざまな条件[縁]が球根にはたらいて花は咲くのです。
このように、すべてのものには、必ずそれを生んだ因と縁とがあり、それを因縁生起(いんねんしょうき)=縁起というのです。
現実には、因と縁と果とが複雑に関係しあい影響しあって、もちつもたれつの状態をつくっています。
『阿含経(あごんきょう)』【※】に「これある故(ゆえ)にかれあり、これ起こる故(ゆえ)にかれ起こる、これ無き故(ゆえ)にかれ無く、これ滅する故(ゆえ)にかれ滅す」とあります。
日常、よく「縁起が良い・悪い」という言葉を聞きます。
吉凶のきざしという意味なのでしょうが、本来は、他の多くのものの力、恵み、お蔭(かげ)を受けて、私たちは生かされているという、仏教の基本的な教えなのです。
【※阿含経(あごんきょう)】
原始仏教の経典。阿含はサンスクリット語「アーガマ」の音写で、「伝承された教説」の意。釈迦直説とみなされた経典を多く含んだ経蔵のことである。
漢訳では長・中・雑・増一の四阿含がある。また、パーリ語では「ニカーヤ」といい、長・中・相応・増支・小の五部がある。
「くらしの仏教語豆事典」より転載
(ホームページ用に体裁、ふりがな等を調整しております)
Author
他力本願ネット
人生100年時代の仏教ウェブメディア
「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。
掲載日: 2013.02.15